1 刃物について
Q1 刃物はどうやって作るのか
A1 素材(材料)によって違います
(1)石、鉄、ステンレスなどの金属、セラミックなど。
①石:割る→削る→研ぐ(黒ヨウ石なら割るだけで刃物になる)
②金属:溶かす→たたく(鍛える:鍛錬)→冷やす(固くする)→研ぐ
※打ち刃物はこれですね。
③セラミック:粘土→型成→研ぐ
Q2 刃物はどうしてたくさん種類があるの
A2 便利さを追い求めた結果です。
(1)目的に合わせて進化しています。
①包丁:食べ物を作るときに必要。
文化・菜切・出刃・まぐろ包丁・そば切り・押し切り、収穫用
②鎌:農作業に必要。
草刈り鎌・のこぎり鎌
③かんな・のこぎり:家や家具・建具、舟などを作るとき、固い食材を削るとき。
木材を削る、鰹節をけずる、かんな、ちょうな、
④ナイフ:彫刻刀:持ち歩きやすい包丁、細かい作業をしたい。
切り出し、十徳、サバイバル、カッター
⑤刀:戦いのときに必要。刀・やり、なぎなた、鎖鎌、矢じり
⑥ハサミ・爪切り:押し付けなくても切れる。自分の手は切れない。
⑦ほかにも:フードカッター、シュレッダー(紙・枝)
(2)こんなものでも切ることができます。
・糸(ようかんなどのお菓子や粘土を切る)
・水(すごい勢いで細い水の流れを作ると、石や金属でも切れる)
Q3 刃物はいつ生まれたか
A3 (1)石で物を切ることができることを発明したのは「新石器時代」で、今から1万年~1万2千年前という説です。
(2)金属の刃物ができたのは、
今から5千年ぐらい前、メソポタミアに始まり、中国では、殷(いん)・周の時代がこのころです。
(3)打ち刃物は、5世紀ごろ(今から1700年ほど前)に「たたら製鉄」の技術が大陸から伝わって、打つ、研ぐなどの作業によって進化したものです。
(4)越前打ち刃物
今から約700年前に千代鶴国安がこの地に移り住んで始まったと伝えられています。
Q4 刃物はどこから伝わってきたのか
A4 青銅器という金属のものはインドよりさらに西のメソポタミアから始まり、中国に広まって、その後発明された鉄のものと同じころに朝鮮半島を経由して日本に伝わったと考えられています。
2 国安について
Q5 国安さんはいつうまれたのか
A5 1314(正和3年)に生まれ、
1396(応永3年)に82歳で亡くなったそうです。
墓所:養徳寺(武生柳町4-33)
Q6 国安さんはなぜ刃物職人になろうと思ったのか
A6 わかりません。
・今に伝わる文書がないことから、調べることができていません。
・これは想像ですが、昔は親の仕事を手伝いながら覚えたことで、好ききらいにかかわらず自然に同じ職業になる(跡を継ぐ)ことが多かったようです。
3 こま犬について
Q7 どうしてこま犬をつくったのか
A7 刀を使う武将の武運長久(武士として名を上げ、名声が長く続くこと)を
祈って。とか、刀は武器であり、人の命を奪うことがある。その奪われた
たましいをしずめるため。とか言われています。
Q8 どのようにこま犬をつくるのか
A8 実物があります。手のひらサイズの石でできているのですが、それを見ると、ある程度削って仕上げにと石ややすりで磨いたようです。
3 池について
Q9 どうして千代鶴の池を作ったのか
A9 打ち刃物は熱い鉄のかたまりをハンマーで打ち伸ばして形を整え、固くて、なおかつしなやかで折れにくい性質に仕上げるため、冷たい水で急激に冷やす必要があります。そのために、たくさんの冷たいきれいな水が必要になるのです。
それに適した水が、ここで見つかったためこの地で定着したと言われています。
Q10 池をどのように使ったのか
A10 当時は地面を掘り下げた井戸だったようです。昭和7年の改修のときに池の底から狛犬が十数個発見され、井戸の枠組みと思われる木片も出てきたということから、現在の池のようなオープンなものではなかったようです。井戸ですから、地上からまっすぐ掘り下げた穴の中へ水くみ桶をなわでつりさげて水を1杯ずつくみ上げていたと思われます。
以上、専門的知識がないとお答えできない質問もあり、素人の考えをお伝えした部分もあります。ご意見、ご指摘等ございましたらフォームからメッセージをお寄せください。